浮身観音
浮身観音は徳川家康・秀忠・家光に仕えた天海大僧正と縁の深い観音様である。
12歳だった舟木兵太郎(後の天海大僧正)が夢告に、浮目(うきめ)というところの水田を掘ったところ、土仏の十一面観音像を発見したという。永禄2年(1559)にこの土仏を模して浄林が木造の観音像をつくり、その土仏を胎内に納めたといわれている。
もとの観音堂は、ここより約500m南にあったが、現在は龍興寺の境内に移されている。
龍興寺は天海大僧正が出家得度したことや、平安時代の国宝「一字蓮台法華経」を所有していることから、古い寺院であったことを伺い知ることができる。
【御詠歌】
浮身をば助け給へや観世音 みちびき給へ弥陀の浄土へ
日本遺産 平成28年度認定
住所/ 福島県会津美里町字龍興寺北甲2222-3
一字蓮台法華経開結共『九巻』
・国宝
・所有者 龍興寺
・昭和二七年三月二九日再指定
一字ずつを美しく彩色した蓮華座に乗せたもので「一字三礼」といい、如法写経のこころからゆきついた最高の荘厳経といえる。蓮台は緑・藍・淡黄・朱・白描と彩りを変え、和様書体との美しい調和を見せている。
平安時代藤原期の作で、県内にある国宝三つの内のひとつである。
会津美里町教育委員会